金属屋根は大分すると横葺き、縦葺き、折板葺き、金属瓦葺きがあります。
横葺き、縦葺きは一般住宅に昔からよく使われ、すっきりとした形状から最近ではデザイナーハウスといったシンプルモダンな住宅建築に使われることが多くなっています。
折板葺きは車庫や工場、大型施設の屋根に使われることが多く、断面は波型になっています。
長尺での施工が可能で、屋根の長さは20m程度なら車両運搬で現場搬入が可能です。
それ以上の大型建物ですと現場成型され50m以上の屋根もあります。
金属瓦葺きは瓦の波型形状をプレス加工で現したもので、重厚な瓦の雰囲気がありながらも重量は本物の瓦の1/10ですむ優れた材料です。これにも縦葺き、横葺きがあります。
横葺き
横葺きには平葺きと段葺きがあり、それぞれに定尺板と長尺板の工法があります。勾配は3/10以上必要です。
平葺きは勘合部(材料同士が重ね合わされるところ)の仕上がりが薄く見た目にシンプルです。
段葺きは勘合部に段が付き重厚なイメージに仕上がります。
定尺板と長尺板の違いは、定尺板はメーカー工場で製作され1枚ごとの寸法が立、横寸法とも決まった金属板を現場の形状に合わせて1枚ずつ施工していきます。
一枚ごとの施工面積は小さく、立方向のジョイント部が通っていないと意匠的に見栄えが良くないため立、横とも墨出しが重要です。
また、段葺きの場合ジョイント部材が多くなると全体のコストアップになります。
長尺板は立方向の寸法は決まっていますが(働き幅と言います)、現場の間口寸法に合わせてオーダーした金属板を施工していきます。
立ジョイントが無いためすっきりしたイメージに仕上がります。
一枚ごとの施工面積は大きいですが、サイズがあまり長くなると運搬、搬入が大変です。
さらに長くなるほど熱収縮も大きくなるため夏場の音鳴りも出るようです。
縦葺き
縦葺きは最も施工実績の高い工法で、シンプルで美しい外観を作ります。
施工性と経済性に優れた屋根材です。
種類としては立平葺き、瓦棒葺き、波板があります。
緩勾配でも対応できます。(5/100)
立平葺きは嵌合式と馳(ハゼ)式があります。
嵌合式は締結部を踏み込んで金属板同士をロックさせていく工法です。
部材点数も少なく経済的で施工が容易なため、いま新築住宅建築で最も使用される材料です。
我が社でも最近はこの屋根の施工が大多数を占めます。
ハゼ式は締結部を折り込んでいく工法で、水密性に優れています。
手ガチャと呼ばれる工具や電動式のシーマーでハゼをたたんで締結する工程があり、それが嵌合式より余計に手間がかかります。
現場での工数、人工削減のため、数年前に嵌合式が出てきてからは、嵌合式の需要が高く、馳式が少なくなっています。
瓦棒葺きは心木ありと心木なしの2つがあります。
心木ありはアスファルトルーフィング(防水紙)の上に垂木を取り付けた後、そのドブ幅に合わせて金属板を入れていき最後にカッパ(キャップ)を取り付けます。
経年劣化で垂木が腐る場合が多く、最近では敬遠されることが多いようです。
心木なしはキャップを馳式で固定する工法で水密性に優れています。
ただ、最近は上記の立平葺きがコスト面、材料費的にも安価で、瓦棒葺きの需要が少なくなっています。
折板葺き
折板葺きはコスト、強度の面から大型建造物の屋根に使われることが多く広く普及しています。
ハゼ締め型と重ね型が主流です。
ハゼ締め型はさまざまな種類がありますが、ハゼ2型と呼ばれる幅500mmの製品が主流です。
大型の工場での使用が最も多いと思います。
1層目の屋根折板の上にグラスウールを敷き込み、その上に2層目の折板を葺く二重折板断熱工法(ダブルパック工法)という施工法もあります。
外部からの熱損失がほとんどなく、断熱性を求められる工場などに採用されています。
当社代表の自宅は、この工法で施工しています。(一般住宅です)
ダブルパック工法は内装側あらわし仕上げが出来るので、内装側断熱材と天井仕上げが不要のため、建築費のコストダウンに大きく貢献します。
重ね型折板は通常ルーフデッキと呼ばれ、車庫やプレハブ建築などに使われ、広く普及しています。
打ち抜きと呼ばれる工具を用いて、タイトフレームの剣先に穴をあけて防水パッキンの付いたナットで締めつけ固定します。
近年の傾向としては、大型建築物では施工性や防水性の問題からボルトレス折板のハゼ式に切り替わってきました。
金属瓦葺き
伝統的な和瓦、ヨーロピアンテイストのおしゃれなイメージの洋風瓦を、金属プレス技術により忠実に現した金属板です。
何といっても同じ瓦のイメージでありながら、重量が1/10しかない、建築物において負担が少なく、耐震性に優れているのが最大の魅力でしょう。
縦葺き、横葺き共に用途に応じて使い分けます。
働き幅が瓦棒葺き寸法に合わせて何種類かありますので、それぞれに対応できます。
水上から水下まで1本物で成型できますので、雨漏りの心配もありません。
また、丸棟瓦や軒先巴、鬼瓦といった伝統的な役物まで忠実に再現された部材もございますので、こだわりの和風建築にも満足いただけると思います。
洋風瓦ですと、天然石粒を吹付け接着した高耐久金属瓦(左写真上下共)や、テラコット風に窯変(焼きむら)を再現した塗装鋼板もございます。

